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ピアノソナタ第2番 (スクリャービン) : ウィキペディア日本語版 | ピアノソナタ第2番 (スクリャービン)[ぴあのそなただい2ばん]
ピアノ・ソナタ第2番「幻想」嬰ト短調 作品19は、アレクサンドル・スクリャービンの作品。1892年頃から1896年頃まで作曲し、1897年に出版された。この間に作曲者自身によりパリで初演されているが、当時は未完成だったため、即興演奏で補われたとされている。2楽章構成をとり、ショパンに倣った抒情的かつ劇的な表現と、ベートーヴェンを思わせる緊密な構成の一方、とりわけ第1楽章の繊細なピアノのテクスチュアは、晩年のリストや同時代のフランス印象主義音楽にも通じている。以前はさほど有名ではなかったが、近年その美しさゆえに幅広く評価され、演奏や録音の機会も増えている。 作曲者自身によると、黒海を訪れた時の印象に基づいているとされ、対照的な2つの楽章は、夜の海の凪と嵐を象徴するものとされる。 ソナタ形式による第1楽章は、「アンダンテ」の速度指定をもつ。提示部の2つの主題は、いずれも抒情的な性格であり、この楽章の夜想曲風の性格を強調している。第1主題は嬰ト短調、第2主題はロ長調による。もっぱら第1主題に基づく中間部(展開部)で、次第に激しさと緊張をつのらせていき、再現部にたどり着く。ここで第1主題によってクライマックスが形成された後、第2主題がホ長調で再現され、輝かしい高音域の分散和音が副題を印象づけるように演奏された後、そのまま嬰ト調に戻ることなく楽章終始にいたる。 第2楽章は「プレスト」と指定されているように、非常に急速で劇的であり、一種の無窮動と見ることができる。さほど長くない中、ロンド・ソナタ形式によってさまざまな要素が投入され、強弱や表情の変化に富んでいる。第1主題・第2主題とも短調によって書かれており、前者ではオクターヴ連打、後者では広い音域の急速な運動というように、いずれも左手の技巧的な要求が際立っている。
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